8月のジャッキー

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タクシーの前をゾウの足が横切った。
表だけは豪奢なつくりを横に回ると、表面だけの立てつけという、よくある見せかけだけの建物の群。
満潮時にはビーチがなくなり、デッキチェアが波の下に隠れてしまうビーチリゾート。
観光客からもらう偏った栄養のせいなのか、鳥としてのパフォーマンスを忘れたような店先のオウム。
食事をしたいと伝えたが、なぜか貴金属の店に連れて行くトゥクトゥク。
タバコほどのサイズが大量に連なっている爆竹と、それを鳴らしすぎて翌朝には赤くなっている道路。
高速道路ですし詰めになった人たち全員が歌っているバス。
慢性的な渋滞に適用されないODA。
街中の巨大な仏像。

香辛料のような線香のような、アジアンといえばアジアンなのだが、アジアンというくくりで説明・表記することがはばかられる。そんなタイという国はどこかリスキーでフォトジェニックな場所だった。